「プルートで朝食を」を見た。

　スバラシー映画です。エンドロールでは、心の中で一人スタンディング・オべーションをしていた私です。ニール・ジョーダンって、こんなポップな感覚の人だったっけ？「マイケル・コリンズ」とか「ことの終わり」なんかの印象が強くて、ああいう映画を撮り続けていくのかなぁ、と思っていたから、意外性も重なって感動もひとしお。軽快な語り口と、キラキラとした希望が詰め込まれていて、エンターテイメントとして素晴らしい映画だと思う。

ムクドリ２匹が、無駄話をするシーンで
「見たこともないくせに」
「オスカー・ワイルドみたいに見た事も無い事を話すのが好きなのさ」
というような台詞がある。何気ない粋な言葉の積み重ねが、とても好きだ。
　ニール・ジョーダンと言えば「クライング・ゲーム」だ。あの映画を見た時の衝撃は忘れない。ストーリーの面白さ、映像の美しさ、役者の強烈な個性と演技力。政治的な事や映画を通して観客に伝えたいメッセージ性も強かったけれど、高校生だった私にはIRAなどの知識も無く、単に「おもしれー」っと、映画館で鳥肌を立てていた。　
　
　パンフレットの中のページが「クライングゲーム」とリンクしてて、監督の中でも「クライングゲーム」の時と同じような想いがあるのかな、と勝手に想像したりして。
　ロンドンに居た頃に読んだ、ニール・ジョーダンの「sunrise with sea monster」を引っ張り出してきた。すげー、全然読めねぇー（滝汗）。「言葉や文章は美しいのに、物語がツマラナイ」という読後感想がメモってあった。すげーぞ、１０年ほど前の私。
　　「プルートで朝食を」の「プルート」＝「冥王星」って事も字幕で分かったという。自分のヘナチョコ英語力にガッカリ。