マーマレードについて。

　苺のジャムと違って柑橘のマーマレードやジャムはとても手間がかかる。煮る時間はそんなに違わないけど、下処理の時間の差たるや、何倍もの手間がかかっている。苺5キロのヘタ取りは1時間もかからず出来るけれど、はっさくの5キロの下処理は3時間はかかってしまう（もしかしたらもっとかも）。
　まず、分厚い皮をむき、中の実をキレイに出していく。小さな種も薄皮もキレイにはずす。これはハッサクの中実、プリプリのツヤツヤ、ちょっとつまんで味見するとパツンパツンと実がはじけて何とも美味しい。ここまで済んでも、まだまだ先は長い。
　中味の重さを量り、その1割程度の外側をキレイに処理する。傷、痛みを取り、厚みを揃えて細く刻み、数回下茹でする。この下茹でで独特の強い苦味を取っていく。これでやっと、下処理終了。現在、伊予柑マーマレードとはっさくマーマレードの2種類がこの下処理を得て、商品となっている。
　あとは銅鍋で実と皮、砂糖で煮ていくだけ。煮あがりの目途も難しいところなのだけど、伊予柑はちょっとゆるめに仕上がっているので、ヨーグルトにかけたり、柔らかいパンにあわせるとちょうど良い感じ。サクサクのトーストで食べたら美味しかった。ハッサクはプリっと弾力のある感じに仕上がっていて、マーマレード特有のほろ苦さがちゃんとあるので、バゲットやカンパーニュなどのしっかりしたパンに塗ると美味しいと思う。
　柑橘ジャムの話はまた明日。